青森県で、全国から表装作品を募っての作品展は初めてでした。第23回全国表装作品展は、青森県連の組合員をはじめ、東北ブロックの組合員の協力で展示設営が行われました。また今回は10名以上の受章者作品を、一つの会場で観賞することのできる作品展になりました。
全国作品展出品作品は、主に全国の組合員の製作した掛軸、屏風などで展示構成をしますが、今回初めて山口県表具内装高等職業訓練校から、創作屏風が出品されました。褒章を授与された組合員の円熟した技で製作された作品から、今後を担う中堅の意欲的な作品があり、それらに地方色が加味され、バラエティーに富んだ見応えのある展示構成となりました。 表具の需要が減少している昨今、隔年開催で北は北海道、南は鹿児島から計59作品が出品されたのは意義深いことでした。
全表連役員からも
「従来の真行草や文人表具の他に、現代のライフスタイルに合わせた創作表装など苦心の後が見られる。最近は生活の色彩が、明るく柔らかい中間色が多くなっている。表具の配色もそれに近くなり、時代を映していると感じる。表具の裂地だけではなく、インド更紗など色々な材料が利用されていた。屏風の類も本来の寸法を踏襲した作品や考えの及ばない丁双を作り、多面体のように仕上げた作品は、マジックを見るような楽しさがあった。」
と好評でした。
最後に第21回(開催地・金沢)から始まった地方自治体と各種技能関連団体に、後援と合わせて賞の下付を依頼するようになり、3回目となる第23回は10の賞の内、全国表装作品展に7つ、併催された東北ブロック表具作品展で3つ選出する形が取りました。開催期間中は、斜向かいの善知鳥神社での例祭があった事もあり、一般の方の来場も予想よりは多かったようです。
各賞受賞者は以下となります。
【青森県知事賞】……………………………今泉裕(青森県)
【青森県商工会議所会頭賞】………………安達清(宮城県)
【中央職業能力開発協会会長賞】…………合屋善克(福岡県)
【全国技能士会連合会会長賞】……………宮崎祐史(三重県)
【日本襖振興会理事長賞】…………………礒慶太郎(石川県)
【青森県技能士会連合会会長賞】 …………杉江宏之(富山県)
【全国表具経師内装組合連合会会長賞】…永井勝二郎(鹿児島県)